東京ディズニーリゾートはタカラヅカになる?

 中学の修学旅行以来、約10年ぶりに東京ディズニーリゾートへ行きました。しかも、ディズニーシーは初めてです。嫁さんは楽しんでいたようでしたが、私は「ファストパスは顧客利便性向上以外にどういう意図があるのか」など、細々としたオペレーションの方が気になってしまいました…。そんななか、いわゆるショー中心に割り切って構成されている「シー」のパーク内で一日過ごすうちに、近い将来、東京ディズニーリゾートタカラヅカと同じ道をたどるのではないかと感じました。


 私のなかでは、ディズニーリゾート=アトラクション(乗り物)というイメージが強くありました。しかしアトラクションは何度も乗れば飽きてしまううえに、更新するのには莫大な費用がかかります。これではリピーター命のディズニーリゾートは成り立たないわけです。しかも入場者の7割が関東地方在住(オリエンタルランドHPより)で、ある調査によればその関東在住入場者の約半数は6回以上ディズニーランド(リゾート)に行ったことがあると答えています(インターワイヤード社調べ)。彼らを飽きさせず、かつ投資効率がよいものはなにか。その答えが「ショー」だったのではないかと思います。だからこそランド時代から「エレクトリカルパレード」に莫大な投資をしてきたし、「シー」の構成をリピーターを呼べるショーを主体にしたのだと思うのです。実際に、「ランド」とは違い、メインのショーを中央にある「ハーバー」を舞台に行うことで、パークの中心付近ならどこでも見られるように、つまりより多くの人が一度に楽しめるように設計されています。また、内容も「電飾」中心の「ランド」とは対照的に、ストーリーと演技が中心で、より深くショーを楽しめるようになっています(タカラヅカでいうと「レビュー」みたいな感じ)。この「アトラクション→ショー」という変遷が、私にはタカラヅカの変遷と重なってみえます。


 ご存知の方も多くおられると思いますが、タカラヅカも元々は「宝塚新温泉」というテーマパークのショーの一つにすぎませんでした。結局、時代とともにリピータを引きつけられなくなった宝塚新温泉(宝塚ファミリーランド)は実質消滅し、宝塚歌劇宝塚大劇場)だけが生き残ったのです。また劇場機能しか持たない「東京宝塚劇場」という存在も、現在の「シー」の位置づけと重なって見えます(ちなみに、初代東京宝塚劇場(現在は二代目)はタカラヅカ専用ではありませんでした)。


 「子供」という入場者を考えると、アトラクションがまったくないディズニーリゾートが成立するとは思えませんが、もしかすると将来、「シー」以上にショーに特化したディズニーパークが登場するかもしれませんね。